工業系ラミネートとは?加工方法から使用例までご紹介!

2024/01/18
ラミネート製品
#複合資材事業部#専門知識#ラミネート
工業系ラミネートとは?加工方法から使用例までご紹介!

「ラミネート」と聞くと、何を想像されますか?
“卓上ラミネーター”、“ラミネート機”と呼ばれる卓上サイズの機械を使って、紙などを熱でフィルムパックすることを想像する方が多いかもしれません。プラスチックフィルムによって弱い紙が丈夫になり、便利ですよね。
このように一般の生活でも馴染みのあるラミネート。実は、工業系でも様々なラミネート技術が使われています。

  • 就職活動中に調べていたけど、工業系ラミネートって何?
  • 工業系ラミネートって、どんな業界で使われるの?
  • 身近な物だと何に使われているの?

このような疑問を感じている方もご安心ください!
この記事では、工業系で使用されているラミネート技術について解説します。

また、弊社キラックスグループでご提供しているラミネート製品についてもご紹介。
この記事を読むことで、ラミネートに関する知識を深めていただければ幸いです。

1.「ラミネート」とは?

ラミネートとは、複数の素材を貼り合わせることを表します。
そのため導入でも触れたように、プラスチックフィルムで紙をきれいにコーティングする事もラミネートと呼ばれ、不織布・アルミ・ポリエチレン・ナイロンなどの素材を貼り合わせることもラミネートと呼ばれます。

今回紹介するのは一般的に目にすることが多い印刷・製本業界のラミネートではなく、工業系のラミネートについて。工業系のラミネートにはどういった加工方法があるのか?どのような業界で使われているのか?それぞれ解説していきます。

2.ラミネート加工にはどんな方法があるの?

ここでは、ラミネート加工にはどのような種類・加工方法があるのか?をご紹介。
さらにキラックスグループが得意とする加工方法についてもお伝えします。

2-1.主な加工方法4種類を紹介!

ラミネート加工の主な方法は下記の4種類。

  1. 押し出しラミネート:高温で溶かした樹脂を素材の間に流し込み、貼り合わせる
  2. ドライラミネート :接着剤を素材に塗布し、乾燥させ、熱と圧力で貼り合わせる
  3. 熱ラミネート   :接着剤を使用せず、素材そのものを加熱し、溶かして貼り合わせる
  4. ウェットラミネート:接着剤を素材に塗布し、貼り合わせて乾燥させる

この中でも、キラックスグループでは①押し出しラミネートと②ドライラミネートを得意としています。

各種素材の加工方法としては、
“紙・不織布・アルミ箔などの素材”を貼り合わせる 押し出しラミネート
“各種フィルム・アルミ箔などの素材”を貼り合わせる ドライラミネート
このようになります。

二つの加工方法について、次の見出しで詳細をお伝えします。

2-2.キラックスが得意なラミネート2種、比較してみました

キラックスグループが得意とする「押し出しラミネート」と「ドライラミネート」。
それぞれどのようなラミネート加工なのでしょうか。
早速、加工方法について比較していきます。

※「有機溶剤」とは、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物(アルコールやアセトン、ヘキサンなど)の総称のこと。関連用語として、「無機溶剤」は有機溶剤以外の溶媒で、水や無機化合物の液体のことを指す。

押し出しラミネートは高温加熱した樹脂を素材同士の間に流し込み、冷やし固めるラミネート方法。
ドライラミネートは接着剤を塗って乾燥させた後、熱を加えて貼り合わせるラミネート方法。
大まかに説明すると、このようになります。

押し出しラミネートとドライラミネートの概要について、お分かりいただけましたでしょうか?
さらに詳しく知りたい!という方は、是非過去の記事を読んでみてください。
実際にラミネート加工を行っている、キラックスの自社工場の紹介もしています!

今さら聞けない!押し出しラミネートとドライラミネートの違いを大公開
知られざる押し出しラミネートの世界!さあ、不織布ラミネートを知ろう!

3.ラミネート加工品はどこで使用されている?

ここまでご紹介してきた工業系のラミネートですが、実際にはどのようなところで使用されているのでしょうか。

3-1.建築業界

使用例 :建築業界・ドア材
素材例 :紙&PETフィルム(PET=ポリエチレンテレフタレート)
加工方法:押し出しラミネート
身近度 :★★★★★

工業系ラミネートの使用例として最も身近なものは、家やオフィスにある木目調のドア。
実はこの木目調に見える部分にラミネートが使用されています。
ラミネートを使用していないドアの場合、ドアの表と裏の湿度の違いで水分の吸収量が異なり、片側に反ってしまいます。こうなるとドアが開かなくなってしまい、大変困ります!

そこで、ドアの内面に防湿性を持ったラミネート材を使用することで表と裏でのバランスを取り、ドアが反るのを防ぎます。このように、建築業界ではドアなどの防湿性を高めることを目的にラミネートを使用しています。

〇建築業界での事例紹介記事はこちら
業界初の”5層防湿紙”を共同開発!建材用途にもラミネートで機能アップ

3-2.自動車産業

使用例 :自動車産業・自動車内装材
素材例 :不織布&ポリプロピレンフィルム
加工方法:押し出しラミネート
身近度 :★★★★

建築業界の次に身近な使用例は、車の“内装材”。内装材とは、車の内側に使われている天井やシートのこと。ラミネートが使われているのは、なんと天井部の内側!私たちの目に見えない部分なんです。

ここで使用されているのは、不織布とフィルムをラミネートしたもの。これは通気止めと防音性を高めること(異音の防止)が目的です。
車のボディの中、特に天井部には沢山の配線が張り巡らされているため、もしもラミネートがないと運転中に配線同士がぶつかり合い、異音が鳴ってしまいます。
私たちが快適に運転できているのは、ラミネートの力あってこそ!ということですね。

〇自動車内装材に関する事例紹介記事はこちら
海外生産設備でも使用できる部品開発!ラミネートを含む複合アドバイザーに

3-3.包装業界

使用例 :包装業界・包装紙
素材例 :紙&樹脂コーティング
加工方法:押し出しラミネート
身近度 :★★★

続いて、日常の意外な部分での使用例を紹介します。ずばり、“包装紙”です。
包装紙といっても様々ですが、今回はコピー用紙の包装紙についてご説明します。
みなさんご存知のように、一般的な紙は水や湿気に弱い性質があります。コピー用紙も同様で、湿気を吸うと紙が反ったり丸くなったりして、使い物にならなくなってしまいます。

そのため、包装紙に防湿性能を高めるラミネートを施すことで、中身の紙を守っています。
普段、何気なく捨ててしまっていた包装紙ですが、実はこんな工夫がありました。

〇包装紙の事例紹介記事はこちら
品質&コストを維持し環境対応品に!コピー用紙の包装紙に離解性ラミネートを採用

3-4.物流業界

使用例 :物流業界・輸送用梱包材
素材例 :アルミ箔&ポリエチレンクロス&ポリエチレンフィルム
加工方法:押し出しラミネート
身近度 :★

最後は物流業界での使用例。
工作機械などを輸出する際に、ラミネートフィルムで包んだ状態で輸送します。
梱包材なしで海上輸送を行った場合、海風にさらされて錆びてしまうことも。

バリヤ性を持つアルミ箔と、強度を保つポリエチレンクロス・シール性のあるポリエチレンフィルムをラミネートすることで、湿気に弱い精密機器や電子部品、大型の製品でも品質を保持したまま輸送できる梱包材を作ります。

また、キラックスでは、輸送時に適したバリヤ梱包材「バリヤスター」を規格品として販売しています。
キラックス製の「バリヤスター」は樹脂をクロスした素材を使用しており、防湿性はもちろん強度の面でも心配ありません。

〇バリヤスターについて、下記記事で詳しくご紹介しています。
【防湿・防錆の強い味方】輸出梱包材に「バリヤ梱包」をオススメします!

〇バリヤスターの事例紹介記事はこちら
現行品の値上げに対応!コストを見直し、キラックス製バリヤ梱包材に統一

4.まとめ

以上で工業系ラミネートの解説・紹介を終わります。
一般の生活に馴染みのあるラミネート。その技術は工業系の様々な場面でも活躍していることが伝わりましたでしょうか。

工業系ラミネートの主な加工方法は、
押し出し・ドライ・熱・ウェットの4種類。

その中でもキラックスグループは押し出しラミネートドライラミネートを得意としており、
今回使用例としてご紹介した建築業界・自動車産業・包装業界・物流業界の全てにおいて実績が豊富です。

詳細については、下記よりキラックス複合資材事業部の紹介ページをご確認ください。
ラミネート製品|サービス | 株式会社キラックス (kiracs.co.jp)
https://www.kiracs.co.jp/service/laminated/

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