【分解&リサイクルできるラミネート】離解性ラミネートって?
“分解&リサイクルできるラミネート”のことを知っていますか?
クラフト紙にポリエチレン等の樹脂を貼り合わせるラミネート。
クラフト紙のみ廃棄する場合は古紙として回収し リサイクルできますが、
ラミネートを施してある場合、分解の際にプラスチックの大きな塊が繊維と離れず、
リサイクルの障害となってしまいます。
では、分解&リサイクルできるラミネートとは一体どのようなものなのでしょうか。
本記事では、紙と樹脂に分解し、リサイクルできる「離解性ラミネート」について解説します。
環境に優しいラミネート製品に興味がある方は是非ご一読ください。
1.離解性ラミネートとは?
「離解」とは、紙の原料であるパルプシートを繊維状にほぐすこと。
その上で、まずは「離解性ラミネート」とは何か?というところから解説していきます。
1-1.離解性ラミネートについて
離解性ラミネートとは、紙に“離解性樹脂”を貼り合わせたラミネートのこと。
通常のラミネートで使用されている樹脂の場合、ラミネートを行った後に紙と樹脂を分けることはできません。
ですが、離解性ラミネートで使用される“離解性樹脂”は、その名の通り紙と樹脂に離解できるという特徴を持ちます。
1-2.離解性ラミネートの最大の特徴
離解性ラミネートの最大の特徴である「分解(離解)」について。
包装等に使用されるラミネート紙はクラフト紙にプラスチック樹脂が付着している状態のため、
古紙としてリサイクルに回すことができず、燃えるごみになってしまいます。
しかし、離解性ラミネートを施したラミネート紙の場合、“あること”をすると紙と樹脂に離解が可能。
紙単体で回収することで、使用後に古紙としてリサイクルすることができます。
“あること”については…次の見出しで詳しく説明します!
2.分解&リサイクルできるラミネート⁉
離解性ラミネートを紙と樹脂に分解するために行う“あること”とは、いったい何だと思われますか?
人の手で剥がすのか、水に浸すのか…?
どのように分解するのか見ていきましょう。
2-1.分解方法
離解性ラミネートを含む古紙全般の分解には、「パルパー」と呼ばれる機械を使用します。
人の手ではとても剥がせるものではありません。
パルパーとはミキサーのような動きをする機械のことで、分解の流れは以下の通り。
- ラミネート紙と水(溶剤が含まれているとよりほぐれやすくなる)をパルパーの中で攪拌
- 高速回転するローター(刃物)によってラミネート紙を細かく繊維化
→ここで離解性樹脂同士の結び付きが外れ、細かな粒子となり、再生紙の原料となる繊維と樹脂に分けられます。 - 繊維のみ、パルパーの刃物の下にある穴を通り、次の工程に送り込まれます
実際のパルパーは大きな機械ですが、家庭用ミキサーで代用して分解時のみ再現しました。
通常のラミネートと比較すると、離解性ラミネートの方が細かく、さらにクラフト紙と白いモヤに分かれています。
この白いモヤがクラフト紙から剥がされた樹脂部分です。
2-2.気になる事例をご紹介
分解&リサイクルできる離解性ラミネートを使用されているのは、やはり環境への取り組みに力を入れている企業様が多いです。
実際にキラックス製の離解性ラミネートをご使用いただいているお客様の事例を紹介します。
【コピー用紙の包装紙×離解性ラミネート】
再生紙由来のコピー用紙を取り扱っているお客様。
包装紙にはもともと離解性ラミネートとは異なるタイプの防湿紙を使用されていましたが、
資材の見直しを行い、キラックス製の離解性ラミネートをご採用いただきました。
包装紙を離解性ラミネートに切り替えたことで、中身のコピー用紙も包装紙も全て環境に配慮した製品に。
企業としての環境への取り組みをより強化することができました。
〇採用事例の全文はこちらから
品質&コストを維持し環境対応品に!コピー用紙の包装紙に離解性ラミネートを採用
3.まとめ
以上で離解性ラミネートについての解説を終わります。
紙と樹脂に分解(離解)することができ、古紙としてのリサイクルが可能な離解性ラミネート。
防湿性を持ち、丈夫な包装資材であるラミネート紙を使用しつつ、環境にも配慮したい!
といった時にぴったりなラミネートです。
環境配慮型のラミネート製品の流通は多くありません。
ご興味のある方、現在お探し中の方は、ぜひ弊社キラックスへご相談ください。
お客様のご希望に沿ったラミネート製品をご提案させていただきます!