知っておきたい！押し出しラミネートのトラブルについて

2025/03/17

ラミネート製品

#複合資材事業部#専門知識#ラミネート

ラミネート加工を行う際のトラブルについて知っていますか？
様々な製品に使用されることの多い「押し出しラミネート」というラミネート方法。

この記事では、押し出しラミネートの簡単な解説とあわせて
押し出しラミネートで起こる可能性のある“トラブル”についてお伝えします。

そもそも押し出しラミネートって何？
押し出しラミネートのトラブルって？
どんなトラブルがあるの？

このような疑問をお持ちの方、
押し出しラミネートについて詳しく知りたい！という方、必見です！

INDEX

1.押し出しラミネートとは？
- 1-1.押し出しラミネートについて
- 1-2.押し出しラミネート以外のラミネート方法
2.押し出しラミネートのトラブルとは？
- 2-1.代表的なトラブルをご紹介
- 2-2.トラブルを避けるためには…
3.まとめ

1.押し出しラミネートとは？

押し出しラミネートでのトラブルについて紹介する前に、
まずは押し出しラミネートとは何か？という部分を簡単に解説します。

1-1.押し出しラミネートについて

「押し出しラミネート」とは、複数の素材を貼り合わせる「ラミネート」の加工方法の一つです。
貼り合わせに使用されるのは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの※熱可塑性（ねつかそせい）を持つ樹脂。これらを高温で溶かし、素材と素材の間に流し込んだ後に冷却して貼り合わせます。
貼り合わせの際はペレット状の樹脂を高温で加熱し、フィルム状に押し出して使用するため、「押し出しラミネート」と呼ばれています。

※熱可塑性とは…熱を加えることで柔らかくなり、反対に冷やすことで固まる性質のこと

1-2.押し出しラミネート以外のラミネート方法

押し出しラミネート以外にも、ラミネート加工にはいくつか種類があります。

有機溶剤を使用し、乾燥炉で溶剤を気化させてから貼り合わせる「ドライラミネート」
素材そのものを加熱し、溶かして貼り合わせる「熱ラミネート」
水性の接着剤を使用して貼り合わせ、乾燥させる「ウェットラミネート」
無機溶剤を素材の間に流し込み、貼り合わせる「ノンソルラミネート」

ラミネート製品の使用用途や貼り合わせたい素材、コスト、納期などによって最適なラミネート方法を選ぶことが重要です。

これらのラミネート方法については、下記記事で詳しく解説しています。
〇工業系ラミネートとは？加工方法から使用例までご紹介！

2.押し出しラミネートのトラブルとは？

ここからは、押し出しラミネートを行う際に起こり得るトラブルについて紹介していきます。

2-1.代表的なトラブルをご紹介

押し出しラミネートを行う際のトラブルとして、どのようなものがあるのでしょうか？
代表的なトラブルをまとめてみました。

【異物混入】
ラミネート中の製品に異物が混入してしまうこと。
混入する危険のある異物としては、髪の毛や樹脂の焦げカス、虫など様々なものがある。加工時に混入するだけでなく、静電気によって周辺のゴミが吸い寄せられてしまい、ラミネート前の原反に最初から付着している場合もあるため特に注意が必要。
弊社の三重工場では、異物検知器の導入により異物混入の対策をしています。

【フィッシュアイ】
ラミネート後の製品上に小さな球体の塊ができてしまうこと。
フィルムや成形品で起きやすいトラブルで、フィルムに混入した異物や押し出し時に溶け残った樹脂粒が原因となる。ほとんどの場合品質上の問題はないとされているが、素材の透明性やフィッシュアイの数、大きさによっては目立つ欠陥となる。
フィッシュアイが原因となり、膜切れ現象を引き起こすことも。

【ブロッキング】
プラスチックフィルムなどを重ねた時に、フィルム同士が不要な接着をしてしまうこと。
不織布ラミネートなどにおいて、不織布の繊維間から樹脂がにじみ出てしまうことが原因のため、ラミネート時の樹脂温度やプレス圧力を調整することでブロッキングを防ぐことができる。

【接着不良】
素材同士が上手く接着されず、はがれてしまうこと。
素材と樹脂の相性も関係してきますが、ブロッキングとは反対に、押し出される樹脂温度が低い場合などに基材への余熱不足が原因で接着不良が起こる。
「デラミネーション」とも呼ばれる。

【サージング現象】
押し出される樹脂が一定でなく、ムラが発生してしまうこと。
樹脂が高温であったり、混練不足が原因で起こる。