業界初の”5層防湿紙”を共同開発！建材用途にもラミネートで機能アップ

室内のドアやクローゼットに使用する住宅建材として、キラックスで製造する3層防湿紙をご使用いただいておりました。木材を使用したドアやクローゼットには、表面に木目調の印刷が施されたラミネート紙が貼り付けてあり、湿気による影響で木材がゆがむのを防止する役割を担っています。

これまでは3層防湿紙が十分な役割を果たしていましたが、ドアやクローゼットが大型化してきたことにより、さらなる機能性向上が求められるように。背景には、住宅の天井が高くなったこと、車いすが通れるようドアの幅が広くなったことなどが関係しています。

ドアやクローゼットが大きくなるにつれて木材がゆがみ、ドアの開閉に支障が出るケースも。そこで、大型のドアやクローゼットのゆがみを防止することができる防湿紙の開発をお声がけいただきました。

それまで使用していた3層防湿紙は、木目の印刷紙と強化紙の間にポリエチレンをサンドして貼り合せたもの。ポリエチレンは高い防湿性を持つ樹脂ですが、樹脂のみでは防湿性能に限界があります。そのため、今回はさらに防湿性の高い素材である「透明蒸着PET」を追加することに。

透明蒸着PETとは、薄くて強度のあるポリエステルフィルムの表面にアルミニウムの微粒子を付着させたもの。フィルムにアルミを蒸着させることで、防湿性を最大限に高めることができます。

アルミ蒸着PETは銀色が主流ですが、今回は透明タイプの蒸着PETを選定し、木目印刷紙の色柄に影響しない仕様をご提案させていただきました。

従来の3層防湿紙にプラスしてできた5層防湿紙は、木目の印刷紙と強化紙の間に透明蒸着PETをポリエチレンでサンドして貼り合せたことで、高い防湿性を実現。ドアやクローゼットなど建具として、長期保管にも耐えられる仕様を検討し、約1年かけて試作と改善を繰り返した結果、無事に耐久テストをクリアすることができました。

アやクローゼットなど、さまざまな木目柄に合わせて必要となる5層防湿紙。今回の5層防湿紙の開発で他社にもお声がけしていたお客様ですが、1柄ごとの製造ロットが大きくなるのがネックでした。

 キラックスでは、自社工場での充実したラミネート設備により、何種類もある印刷紙を繋ぎ合わせてまとめて加工する事により1柄あたりのロットをコンパクトに。

お客様の過剰な在庫負担も軽減することができ、お客様にとって最適なサービスをご提供することができました。