業種:総合商社 様
不織布ラミネートを含むトータルコーディネート
海外生産設備でも使用できる部品開発!ラミネートを含む複合アドバイザーに
国内外に多数の拠点を持つ大手総合商社様。
広く海外展開する自動車部品メーカーに供給する部品の統一化をご相談いただき、不織布ラミネートを含む自動車内装材※のトータルアドバイザーとして開発に参加させていただきました。弊社工場で製造する不織布ラミネート部分だけでなく、複合的な目線で材料の選定から開発検証までをサポート。
諸条件をクリアし、見事に部品の国内製造一本化を実現させることができました。
※自動車内装材…天井材、カーシート、フロアマットなど車の内装に使用される材料の総称
担当部門:複合資材事業部
キラックスからのご提案
自動車内装材の共同開発
「世界展開する自動車部品メーカーへ供給する部品を統一化したい」と、総合商社様よりご相談いただきました。その背景には”業務改善”という大きな課題がありました。
数万点に及ぶ自動車部品は、日本国内のみで製造することが難しく、海外生産拠点それぞれで部品を調達。現地で問題が発生した場合は、日本から開発担当者が海外部品メーカーまで出向き、改善に向け調整を行います。問題が解決するまで日本に戻ることができず、数か月にわたり現地調整を続けることも多く、1年の半分以上が海外生活になることも。開発担当者の業務改善に繋げるため、部品の国内製造一本化を目指していました。
そこで弊社では、自動車内装材に使用されている”不織布ラミネート”部分の開発製造を担当させていただくことに。さらに、自動車内装材の不織布ラミネートに関して業界トップの実績と情報力を活かし、総合的な内装材部品アドバイザーとして開発に参加させていただきました。
幅広い条件に対応できる材料のトータルコーディネート
自動車内装材は複合素材でできており、6~8種類の材料を重ねて成型加工を行います。弊社が製造する不織布ラミネートは、あくまでもその一部。開発段階では不織布ラミネートを含めたすべての材料との相性を考慮し、内装材部品としての完成度を上げていかなくてはいけません。
不織布ラミネートはもちろん、他の材料も同時に開発を進めていくため、総合的な目線でアドバイスをさせていただきました。
具体的には、成型加工する際に熱をかけて接着させるため、耐熱性の高い材料を選定することが必要。また、何種類もの材料を重ねていく工程で、接着しやすい材料であることも必須条件に。
さらに、今回は部品の一本化であるため、海外生産拠点それぞれの設備に対応できる品質の部品開発が求められます。
このような幅広い条件に対応できる内装材を開発するため、試作→評価→改善を何度も繰り返しました。車種によって使われる自動車部品が異なるため、車種ごとの細かい調整も必要に。新車種発売の2~3年前から準備を始め、開発を進めていきました。
品質、コスト、サプライチェーンの一括管理
お客様と共に開発を進めてきた自動車内装材は、不織布ラミネートを含めたそれぞれの材料の互換性も無事クリアし、採用が決定。部品の統一化に向けて共同開発した内装材部品は、フランス工場で使用をスタート。その後、台湾、アルゼンチン、カナダへ展開され、異なる海外生産設備でも対応できる品質を証明することができました。
国内材料を使用した部品に変更したことで、これまで現地調達していたコストを削減でき、供給リスクも大幅に低減。問題解決のために長期間海外滞在していた開発担当者の業務負担も大きく軽減することに成功しました。
また、海外生産拠点で使用する部品を統一化したことで品質も安定。部品調達ルートが国内統一されたことで、サプライチェーンの一括管理も容易になったとご評価いただいております。
今回の事例では、不織布ラミネートを含む複合素材のアドバイザーとして、自動車内装材の開発に参加させていただきました。内装材は不織布ラミネート単体で成立する部品ではないため、他の材料との総合的な相性が重要に。不織布ラミネートを始めとするラミネートに関する知識や、それに関わる材料のノウハウを開発に反映させることができたと実感しています。
担当者からの一言
当社製品を売り込むだけではなく、今起こっている問題点をお客様と一緒に考え、これまでの経験を活かしたアドバイスを行うことが重要な役割になります。
世界各地の生産拠点で使用できる製品を共同開発出来た事は、ラミネートメーカーとしても貴重な体験となりました。
担当部門:複合資材事業部 本社営業