企業名:株式会社シモジマ 様
海洋生分解性プラスチックレジ袋の開発
魚が嫌がるレジ袋で海洋プラごみ問題に立ち向かう~3社共同開発~
紙製品・化成品などの包装資材から、事務用品やアパレル関連資材まで、数多くの商品を販売する株式会社シモジマ様。高校生からの電話をきっかけに、苦み成分を配合した海洋生分解性プラスチックレジ袋の開発に取り組むことに。
お話をいただいた株式会社シモジマ様、生分解性プラスチック原料メーカーである三菱ケミカルグループ様、そして株式会社キラックスの3社共同で、魚が嫌がるレジ袋の開発を行いました。
担当部門:商品開発部
キラックスからのご提案
海洋生分解性プラスチック袋の開発
キラックスでは、約20年前から生分解プラスチックを素材にした製品づくりを行っています。2005年の愛・地球博では生分解性ゴミ袋が採用され、2020年には日本初の海洋生分解性プラスチック袋の開発に成功しています。
過去の実績をご評価いただき、今回の魚が嫌がるレジ袋の開発にお声がけいただきました。
2020年の海洋生分解性プラスチック袋の開発は、三菱ケミカルグループ様が製造する植物原料ベースの生分解性プラスチック「FORZEAS™(フォゼアス)」をキラックスがフィルム化技術を確立し、海洋生分解性プラスチックレジ袋を製造可能にしています。
この技術を応用し、魚が嫌がる海洋生分解性プラスチックレジ袋の開発をスタートさせました。
魚が嫌う苦み成分を混合する技術の提供
今回の大きなミッションは、魚が嫌う苦み成分を配合すること。「安息香酸デナトニウム」は、人が口にすると強い苦みを感じ、誤飲防止のためにおもちゃに塗布されるなど、安全性の高い成分です。
開発において、弊社はFORZEAS™に安息香酸デナトニウムを配合する技術を提供させていただきました。弊社の専門スタッフが開発スタートから1年以上かけ、FORZEAS™に安息香酸デナトニウムを配合可能にしました。
2022年12月、三菱ケミカルグループ様、シモジマ様、キラックスの3社共同開発の海洋生分解性プラスチック製レジ袋「ENERFISH(エネルフィッシュ)」の開発に成功。
開発した海洋生分解性プラスチック製レジ袋は、海洋において1年間で約90%分解されることが確認されています。また、一般的な石油由来の原料を使用したレジ袋に比べ、焼却時の二酸化炭素排出量を約30%削減できます。
現在、シモジマ様の店舗やオンラインショップにて魚が嫌うレジ袋「エネルフィシュレジ袋 海洋生分解性」を販売しております。また、この取り組みに共感いただいた企業様から特注品のご依頼をいただき、魚が嫌うレジ袋の開発が海洋プラスチックごみの被害から魚を救う一つの選択肢になったことを実感しています。
担当者からの一言
海洋生分解性プラスチック製レジ袋の普及にはまだまだ課題も多くありますが、今後も弊社の知見を活かしたご提案を続けてまいります。
担当部門:商品開発部 本社営業